FIAT DUCATOのエンジン不調改善のため、ChatGPTにMultiecuscanで取得した走行データを渡した結果、EGRバルブ、EGRアクチュエータ、インジェクターの3点を交換することに決めました。交換した結果は…
修理方針の確認

整備方針メモを作って!

どうぞ!整備記録や判断のエビデンスとしてぜひご活用ください!
【FIAT DUCATO 整備方針メモ:インジェクター1本交換】
■ 車両情報
・車種:FIAT DUCATO
・年式:2007年式
・エンジン型式:F1CE0481D
・対象気筒:第4気筒
■ 現状の診断結果(2025年4月時点)
・第4気筒インジェクター補正量が -0.74 mm3/i で大きくマイナス補正されており、 過剰噴射またはリークの可能性が高い。
・他の3気筒は ±0.3 mm3/i の範囲で安定しており、現時点での異常は確認されていない。
■ 整備方針
・費用抑制の観点から、第4気筒インジェクターのみを先行で交換する。
・EGRバルブおよびEGR制御ソレノイド(プレッシャーコンバーター)も同時交換予定。
■ 注意点(整備後)
1. Multiecuscanにて『Clear self-adaptive parameters』を実施し、ECU補正値を初期化する。
2. エンジン始動後、アイドリング・市街地走行で10~15分ほど再学習走行を実施する。
3. 学習後に補正値が再構築され、他気筒に新たな異常が現れないかモニタリングを行う。
■ 将来の判断 ・今後、残りのインジェクター(#1~#3)について補正量が大きくなった場合は、 個別またはセットでの交換を再検討する。
■ 使用予定部品
・Injector Nozzle (BOSCH 0 986 435 163)

ChatGPTおすすめは#4インジェクターの交換で、EGRバルブおよびEGR制御ソレノイドの交換は念の為くらいな感じでした。
交換部品を確認する
EPER、EBAY等を駆使して交換部品を特定し手配先を検討します。ユーロに対して円高になって欲しい瞬間です。

トランプ大統領の一言でドル円は動くのですがユーロ円はあまり変わらないのよね。あと、ユーロとポンドは間違わないように注意です!
EPER、EBAYよりも確実な確認方法。 そう実車確認です。

EGR Valve – 7.24809.51.0 PIERBURG

重要部品はBOSCHを選ぶことが多いですが2009年までの3000ccエンジンの持病(水が入って錆びる)と言われるWahler製 7532D スロットルボディの対策品がPierberg製であることから今回はPIERBURGにしました。 スロットルボディの交換は今回保留にします。

504121701の刻印が確認できます。

Pressure Converter, exhaust control – 7.02256.20.0 PIERBURG

ECUの命令で空気圧・負圧を調整し、EGRバルブやターボアクチュエーターを動かす中間制御装置で、不調になるとEGRバルブ・ターボ制御が不安定になります。


Injector Nozzle – 0 986 435 163 BOSCH

今回ChatGPTの一押し交換部品です。

504088823のマークが読み取れます。

海外通販で入手する
今回はリトアニアのELartから購入します。 今回の購入は3回目になります。
Status | Description | Qty | Price Without VAT | Total Price Without VAT |
paid | EGR Valve – 7.24809.51.0 PIERBURG | 1 | €151.42 | €151.42 |
paid | Injector Nozzle – 0 986 435 163 BOSCH | 1 | €144.02 | €144.02 |
paid | Pressure Converter, exhaust control – 7.02256.20.0 PIERBURG | 1 | €63.02 | €63.02 |
paid | Gasket, cylinder head cover – 452.640 EL‐ RING | 1 | €6.16 | €6.16 |
paid | DHL Express | 1 | €32.22 | €32.22 |
EGR系 2点の交換完了。インジェクターは外れず!
EGRバルブの交換
ボンネットに取り付けられた空気取り込み口を取り外すとEGRバルブへのアクセスが簡単になります。

多少現物合わせがあったそうですが納まりました。


日本語訳:
E.G.R.バルブは、ヒートエクスチェンジャー(熱交換器)の端に取り付けられています。
このバルブは、熱交換器から流出するエンジンクーラントによって冷却され、
効率の向上と長寿命化が図られています。
再循環される排気ガスの量は、調整されたコネクタを介して取り込まれた負圧によって作動するポペットバルブによって制御されます。負圧は、バキュームポンプからサーボブレーキへ接続されたパイプから供給されます。
ソレノイドバルブによって取り込まれた負圧は、スプリング(1)によってかけられた圧力に打ち勝ち、ダイヤフラム(2)を持ち上げます。これにより、ダイヤフラムに接続されたシャッター(3)が上昇し、燃焼済みの排気ガスが吸気マニホールドへ流れ戻ることが可能になります。

取り外したEGRバルブです。 EGR(Exhaust Gas Recirculation)は一度燃焼して排出された排気ガスの一部を再び吸気側に戻して再燃焼させるので、長年使うとEGRバルブや吸気マニホールドにカーボンが堆積して詰まるらしい。

EGRソレノイドバルブの交換
Pressure Converter(exhaust control)交換は簡単です。


日本語訳:E.G.R.ソレノイドバルブは、E.G.R.バルブを作動させて、吸気ダクトに送られる排気ガスの量を決定します。
duty-cycle-controlledされたソレノイドバルブは、サーボブレーキバキュームポンプからの負圧量を調整して、E.G.R.バルブに接続し、一定量の排気ガスを再循環させます。

インジェクターの交換

インジェクターは固着がひどく、無理するとボルトが折れそうって感じで交換は保留となりました。
今回用意していたBOSCHのインジェクターです。

18年も経てば固着もするだろうし、無理やりやればボルトが折れるトラブルとかあるんだろうな。とりあえず保留です。

インジェクタの先端に銅ワッシャーが必要との指摘がありましたがインジェクターを見ても付属しておらず、EPERにも記載がないので実際に取り外してみないと銅ワッシャーの要・不要がわかりません。 箱にはワッシャーのしっかり描かれていますが実部にはないのよね。

FIAT DUCATO 一般道・高速道路走行後 診断レポート

交換後に一般道の走行データと高速道路の走行データをChatGPTに渡してチェックしてもらいます。

【FIAT DUCATO 一般道・高速道路走行後 診断レポート(最終版)】
■ 解析対象データ
・一般道走行
・高速道路走行
■ 診断ポイント
1. 第4気筒インジェクター補正量の比較
2. EGRバルブ開度の比較
3. EGR制御信号の比較
■ 総合診断コメント
・第4気筒インジェクター補正量は、一般道・高速道路ともに-0.28〜 -0.31mm3/iで安定。
・EGRバルブ開度は常時0%、EGR制御信号も安定してOFF。
・EGR関連トラブルは完全に解消し、エンジン燃焼も安定していると判断できる。
■ 今後の推奨対応
・第4気筒補正量の経過監視を継続。
・燃料系洗浄剤(インジェクションクリーナー)投入検討。
・補正量悪化時はインジェクター交換を推奨。

高速道路を含むデータの一部です。
左半分くらいが高速道路走行中で、真ん中以降は降りてから一般道を走っています。
インジェクターの補正がすごく見えますが数値の幅は狭くなっています。


一般道を走行した際のデータの一部です。
信号があるのでストップ&ゴーの連続です。
インジェクターの補正がすごく見えますが数値の幅は狭くなっています。

結果発表!

EGRバルブとEGRソレノイドバルブを交換後は明らかにハンチングが無くなりました。 低回転から高速走行までエンジンの力も戻りました。
ずっと悩んでいたエンジン不調の原因はEGR VALVEかEGRソレノイドバルブかのどちらかだったようです。 もちろんインジェクターを4本とも交換するともっと蘇るのかも。 ChatGPTはインジェクターは要監視、交換対象と言い続けてるしね。
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