Multiecuscanを利用して各センサーの状況は把握することはできますが、私は自動車整備の経験はないため結果を元に整備の方向性を決めることができません。 そこでChatGPTにお願いしてみます。
コモンレール直噴ディーゼルエンジンのハンチング
乗っているバーストナーのベース車はFIAT DUCATOで2007年式・18年モノ。 そして走行距離は125,000kmと整備もなしにいつまでも調子が良いわけがありません。
ずっと気になりつつ放置しているアイドリング時に一瞬回転が落ちたり、加速に波があるというハンチングと呼ばれる症状が最近ひどくなり走行時にエンジンが壊れてしまうんじゃ?と心配になっていました。
なお、今回気づいたことがあります。 エンジン型式はF1CE0481Dと思っていましたがDUCATO用 研修アカデミーにSofim製 F1CE048IDと記載ありました。 と思ったけどやっぱり「1(イチ)」らしい。 (今回以降はF1CE048IDとします)

ご指摘のとおり、非常に紛らわしいのですが、結論から言うと:
🔧 これはアルファベットの「I(アイ)」ではなく、数字の「1(イチ)」です。
具体的に解説します:
- FIATのエンジン型式(たとえば「F1CE0481D」)の命名規則では、
- 「F1CE」:ファミリーコード
- 「0481」:識別番号
- 「D」:燃料種別や仕様を示すサフィックス
というように、識別番号部分(「0481」)は基本的に数字で構成されます。
そのため、
- 「F1CE0481D」の中の「1」はすべて数字の1です。
💡 補足:FIATやIVECOの資料・部品カタログ・整備マニュアルでもこのエンジン型式は「F1CE0481D」と表記されており、I(アイ)ではなく、明確に「1(イチ)」が使われています。もし部品注文や診断ツールで入力する場合は、「F1CE0481D」と入力してください。

これ1(イチ)ですか!?

SofimはFiat, Saviem (Renault) と Alfa Romeoの3社で設立した企業でIVECOに買収された歴史があります。
OBDデータとChatGPT 第1回
MultiECUScanを利用してOBDからセンサーの値を取得し、DucatoのTraning Academyと共にChatGPTに渡します。 燃料系、吸気系のセンサーの数値の動きをチェックさせることでハンチングの要因もしくはセンサー故障の可能性を検討します。 センサーデータファイルには下記情報が含めています。

クルマ走らせてデータ取ってきたょ!

OK! 初期所見だすよ!

1. 燃料補正量の偏り
- シリンダー4の補正値が 常に-0.5mm³/i 程度で、他と比べて極端に負。
- 他のシリンダーは ±0.3以内に収まっている
➡ インジェクター#4の流量異常(過噴射 → ECUが補正している)が疑われます。
Inj. correction Cyl. 1 | Inj. correction Cyl. 2 | Inj. correction Cyl. 3 | Inj. correction Cyl. 4 |
mm³/i | mm³/i | mm³/i | mm³/i |
0.08 | 0.24 | 0.23 | -0.56 |
0.08 | 0.26 | 0.22 | -0.56 |
0.04 | 0.26 | 0.25 | -0.56 |

2. 燃料圧力
- 実測燃料圧力と要求値はほぼ一致しており、燃料ポンプやレギュレータに異常の兆候は今のところ見られません。
Total fuel quantity | Desired fuel quantity |
mm³/i | mm³/i |
9.927 | 10.491 |
9.969 | 10.371 |
10.089 | 10.752 |

3. EGRバルブ
- 開度は常に約80%で固定されている(停止時も走行時も)。
- これは明らかに異常であり、EGRバルブが動作不良(固着、ソレノイドバルブ故障)の可能性があります。
EGR valve opening | EGR control |
% | |
79.96 | ON |
79.96 | ON |
79.96 | ON |
推奨される点検・交換部品(Traning Academyに基づく)

① インジェクター #4(第4気筒用)
- 症状: 補正噴射量が一貫して -0.5 ~ -0.6 mm³/i と大きなマイナス補正 → ECUが燃料を絞ろうとしている。
- 理由:
- 他気筒と比べて補正値が極端で、バランス不良・機械的不良の可能性大
- サービスマニュアルでは ±0.5mm³/i 以上の補正差 がある場合、インジェクター点検または交換を推奨
- 対策:
- #4インジェクターのフローテストまたは直接交換
- できれば他のインジェクターとの入れ替え試験で症状が移動するか確認

② EGRバルブ本体
- 症状: 常に 開度80%前後で固定 → アイドル時も閉じずに排気ガスが混入し、アイドリング不調の原因に。
- 理由:
- EGRの開閉制御が効いていない可能性が高く、内部固着または機械的故障の疑い
- サービスマニュアルでは、バルブ開度が変化しない場合は交換対象
③ EGR制御ソレノイドバルブ(バキューム制御)
- 症状: EGR開度が常にON → バキューム制御ソレノイドが故障またはバイパスされている可能性
- 理由:
- EGRバルブに「開け」という信号を常に送り続けていると見られる
- ソレノイド不良、ホース詰まり、ECU出力異常なども含め、まずは交換で切り分け

④その他確認すべきポイント
- スロットルバルブ開度も高めで安定しており、閉じる動作が悪い可能性もありますが、優先度はやや低めです。
- ラムダセンサーは一定値(4.5または9.5mV)で、活発に動いていないように見えるが、ディーゼル車では通常動きが少ないです。
- インジェクター #4 の入れ替えテスト(#1または#2と)
- EGR制御ソレノイドのアクチュエータテスト(Multiecuscanなどで)
- EGRバルブの直接点検または交換
- 必要に応じてECUリセット / 学習値リセット

結論(交換対象)
必要に応じてMultiecuscanでアクチュエーターテスト(EGR開閉、インジェクターテスト)を行うと、さらに確実に故障部位を特定できます。

EGRバルブの部品交換はともかくインジェクター交換はめんどくさそう…
燃料添加物で改善しないかな?

この世代のEDC16C39 ECUではインジェクターコーディングは不要。個体識別コードの入力機能はなし。
「#4インジェクターの補正量が常時大きくズレている」現状では、燃料添加剤の効果は限定的です。 しかし、交換前の最終手段・ダメ元で試してみる価値はあります。
それでも補正値が改善しなければ、迷わずインジェクター交換を推奨します。

もし試すなら…
製品名 | メーカー | 備考 |
---|
フューエルワン(Fuel1) | WAKO’S(和光ケミカル) | 国産・非常に評価が高い |
LIQUI MOLY ディーゼルインジェクションクリーナー | LIQUI MOLY(ドイツ) | 欧州車向け実績多数 |
STP ディーゼルインジェクタークリーナー | STP | 入手性が良い |

WAKO’Sのフューエルワンは有名だよね。

ディーゼルワンもあるよね。今ならこっちかな?
OBDデータとChatGPT 第2回

センサーのデータを追加で取るけど必要な項目ある?

次回ログを取得するなら下記のような構成が理想的です。
Time
Engine speed
Injection correction Cyl.1–4
Fuel pressure
+Desired fuel pressure
Air flow (mg/i or g/s)
+Desired intake air quantity
MAF
/MAP
センサー電圧(ある場合)EGR valve position
+EGR control (ON/OFF)
Injection time (Main, Pre, Post)
Injection advance
Battery voltage
(可能なら)

送ったよ

簡易チェック結果発表!

補正噴射量(帰りデータ)
- #4気筒:常に -0.74 ~ -0.76 mm³/i → 非常に強い負補正(異常)
- 他気筒は ±0.3~0.6 の範囲で収まっており、#4だけが突出して過補正
➡ やはり**#4インジェクターの過噴射状態が続いている**と断定できます。

吸気量とEGR(朝・帰り両方)
- EGRバルブ開度:常時79.96%付近
EGR control
:ON固定(エンジン回転数に関係なく)- 実吸気量と要求吸気量の差も確認でき、EGRからの希釈混合気が多すぎる可能性が高い
➡ EGRバルブの開きすぎ・制御不能の症状が継続中

結論(再確認)
交換候補部品 | 状態 | 推奨 |
---|---|---|
インジェクター #4 | 過補正大(-0.76) | ✅ 交換確定レベル |
EGRバルブ | 常時開状態 | ✅ 交換推奨 |
EGR制御ソレノイド | 常時ON出力 | ✅ 点検・交換推奨 |

交換ですかそうですか… 😨
素朴な疑問も聞いてみる

お金かかるし修理せずに乗り続けるとどうなると思う?

⚠ 「このまま走り続けると、最終的にエンジン本体や補器類に深刻なダメージを与えるリスクがあります」

マジか

■ 現在の状態(要点まとめ)
項目 | 状況 | 潜在的リスク |
---|---|---|
インジェクター#4 | 常時過補正(-0.74 mm³/i) | ● ピストン頭部の燃焼偏り ● オイル希釈 → 圧縮低下 ● ノッキングや異常燃焼によるピストンクラウンの穴あき・焼き付き |
EGRバルブ | 開きっぱなし(開度80%) | ● アイドル時に大量の排気ガス再循環 → 失火・カーボン堆積 ● シリンダーヘッドや吸気ポート内が異常スス汚れ ● DPF詰まりや排気温度異常の誘発 |
EGR制御ソレノイド | 常時ON出力 | ● ECUがEGRバルブの状態を正確に制御できない → 燃焼制御が狂う ● 結果として燃料マップや噴射時期にも影響 |

エンジン故障(||゚Д゚)ヒィィィィ

放置時の具体的な故障リスク(短期~中長期)
期間 | 主なリスク | 修理コスト感 |
---|---|---|
数週間 | ● DPF詰まり(再生頻度増加) ● アイドリング不調・燃費悪化 | 軽修理(EGR清掃)で済む可能性あり |
数ヶ月 | ● シリンダー#4のピストンリング摩耗 or クラウン損傷 ● インジェクターリーク → オイル希釈 → クランク損傷 | 重整備(シリンダーOH): 数十万円 |
さらに長期 | ● エンジンブロー(異常燃焼の繰り返し) ● DPF・ターボ破損・ヘッドひび割れ |
今回のまとめ
ChatGPTにマニュアルとデータをを渡すことで今回の整備方針について助言を得られました。 実際に整備士さんも誤った回答ではないとのこと。 今回のChatGPTの回答はDucato用Traning Academy資料だけではなく、過去ChatGPTが学習した自動車整備のベースがあってのことだと思います。 指摘された部品を手配したいと思います。
ChatGPTは間違っていても正解のように回答するので、使用の際には間違いであることを見抜く力が質問側に必要です。自信がなければ詳しい人に確認が必要です。 でも、海外のFIAT ForumやEPER、WORKSHOPなどのデータベースまで学習ベースとして網羅してくれるととても頼もしい存在になりそうです。

ご指摘ありがとうございます。良い質問ですね!

いやいやまずは間違いを認めろ (ะ`♔´ะ) ガルルル
次回をお楽しみに!
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