ETC車載器の新スプリアス認証対応確認と当分の間の延期

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不必要な電波を低減させる目的で「無線設備のスプリアス発射の強度の許容値」が設定され電波法が改正されてます。 ETC車載器も電波でやり取りしており、もし旧スプリアス規格製品なら買い替えも検討しましょう。

 

ETC型式を確認する

キャンピングカーのバーストナーA576の購入時にETC(Electronic Toll Collection System )車載器が付いていました。 このETC車載器がいつ取り付けされたのかはわからず、この下記の一文がすごく気になっていました。

使用不可となるETC車載器は、「平成19年(2007年)以前の技術基準適合証明・工事設計認証(旧スプリアス認証)を受け、製造されたETC車載器」

 

バーストナーA576は2007年式なので、もし古いETC車載器が付いていたらこれに該当して「電波法違反」にならないの? ETC車載器を買い換えないといけないの? とガクブルです。

ETC車載器がスプリアス認証の新・旧規格のどちらであるかはETC車載器の型式(登録番号)を確認して調べるしかないようです。 また、セキュリティ規格については最初の数字が「0」は旧セキュリティ規格対応、「1」は新セキュリティ対応です。

 
 
バーストナーA576のETC車載器をパナソニックのサイトで確認すると新スプリアス認証は対応、新セキュリティ規格は非対応でした。
品番 型式登録番号 セキュティ規格 備考
CY-ET907D/KD 0410 生産終了

 

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新スプリアス認証と新セキュリティ規格

高速道路にあるETCゲートなどの管轄はもちろん国土交通省、ETCゲートを通る際にやり取りするための電波は総務省。じゃあETC車載器の管轄は? 国土交通省らしいです(*゚。゚)ホー

 

そもそも「スプリアス」って何? Wikipediaによると無線の場合のスプリアスとは…

送信機から発射される電波のうち、高調波、低調波、寄生振動などによって発生する目的外の電波のことをいう。スプリアスは、TVI、BCI、アンプIなどの電波障害の原因となるため、電波法によりその強度が制限されている。スプリアスの発射をスプリアス発射、スプリアスによる電波障害をスプリアス妨害と呼ぶ。

総務省 電波利用ホームページ|免許関係|無線設備のスプリアス発射の強度の許容値
高周波,電波法

 

 

じゃあ、セキュリティ規格の変更とは…? そのまんまで「盗聴・改竄等の不正防止を目的に定められた情報安全確保の規格」なのです。 Q&Aが用意されています。

ETCにおいてお客様の決済情報を将来にわたり安全に保護するため、セキュリティ規格の変更を予定しています。

将来実施されるセキュリティ規格の変更に対応した新セキュリティ対応車載器の販売が開始されています。

 

 

ちなみにセキュリティ規格については見た目でも判断できるらしい。写真は国土交通省サイトからいただきものです。

 

 

 

現在は経過期間中

新セキュリティ規格については開始が最長2030年頃までとありますので、何か事件がない限りまだ12年あります。 対してスプリアス認証は2022年とあと4年なので 当分の間延長されています!

新型コロナウイルス感染症による社会経済への影響等による無線設備の製造や移行作業に遅れが生じていることを考慮し、令和3年8月に無線設備規則の一部を改正する省令(平成17年総務省令119号)の附則第3条及び第5条の一部を改正し、その使用期限を当分の間、延長することとしました。

総務省 電波利用ホームページ|免許関係|無線設備のスプリアス発射の強度の許容値
高周波,電波法

 

「当分の間」とはいつまでか気になります。 新スプリアス認証などの詳細は総務省サイトに「無線設備のスプリアス発射の強度の許容値」として記載されてます。

Q&A

問1 スプリアス規格はいつ改正されたのですか。

(答)世界無線通信会議(WRC)において、無線通信規則(RR)のスプリアス発射(必要周波数帯の外側に発射される不要な電波)の強度の許容値が改正されました。これを受けて、総務省では、(2005年)平成17年12月1日に無線設備規則を改正(以下「新スプリアス規格」という。)しました。

 

 

2年間の経過措置期間があり(2007年)平成19年12月に適用開始されました。

問2 改正前の無線設備規則(以下「旧スプリアス規格」という。)に基づく無線機器の経過措置はありますか。

答)平成17年12月1日以前の旧スプリアス規格に適合する無線機器のうち、平成19年11月30日以前に製造されたものは、平成29年11月30日までに免許等を受けた場合又は無線局の免許が不要な無線機器の場合は、平成34年11月30日まで使用できます。

なお、平成34年12月1日以降、旧スプリアス規格に基づく無線機器は、新スプリアス規格の条件に適合することの確認を受けない限り、使用できません。

※令和3年(平成34年)8月に新型コロナ感染症を理由に延期されています。

 

一般財団法人ITSサービス高度化機構にもQ&Aが用意されています。

使えるけど…[壁]_・)チラッ

Q)2022年12月1日以降に対象の旧スプリアス規 格に基づいて製造されたETC車載器で高速道路のETCレーンに進入した場合、ETCゲートは開かないのですか?
A)安全に配慮した運用となるよう検討致します。

 

 

電波法違反らしい…|ω・)ミテマスヨ

Q)2022年12月1日以降に対象の旧スプリアス規格に基づいて製造されたETC車載器を車両に取り付けているだけで、法令違反になるのです か?
A)電源と接続しており、電波を発することができる状態であれば、電波法違反となります。

※令和3年(平成34年)8月に新型コロナ感染症を理由に延期されています。

 

 

政府の買い替え補助金はない… 道路公団のキャンペーンに期待!

Q)旧スプリアス規格に基づいて製造された車載 器を買い替える場合、購入補助金は出ないのですか?
A)現時点では、購入補助は想定しておりません。

Q)ETC車載器を継続して使用できるようにする等ユーザの負担を軽減する対応はできないのですか?
A)世界無線会議(WRC)において、無線通信規則(RR: Radio Regulation)が改正されたことを受けた措置ですので、ご理解をお願いします。

 

 

ETC各社の新スプリアス規格対応状況

ETC総合情報ポータルサイト GO!ETC

ETC車載器について:初めて・こんな時ETC
ETC車載器は、適正な通行料金をお支払いいただくための車両情報を料金所のアンテナと無線通信する機能を受け持ちます。

 

パナソニック

パナソニックの市販ETC/ETC2.0(DSRC)車載器は以下の機種を除き、
新スプリアス対応を実施済みですので、平成34年12月1日以降も安心してご使用頂けます。
【旧スプリアス規格対象機種】
電波法関連法令の改正により、「2022年12月1日」以降使用できなくなる車載器は次の製品となります。※( )内は車載器型式登録番号

・C03002T(0321)
・C03002B(0354)
・CN-RX0600AK(0389)

DENSO

デンソーは2機種使用不可となるようです。

ご使用できなくなるデンソー製ETC車載器は以下の通りです。型式 DIU-3102(型式登録番号 0209 / 2001年4月~2004年4月製造品)
型式 DIU-3104(型式登録番号 0211 / 2001年6月製造品)

 

クラリオン(ADDZEST)

クラリオンの対象ETC車載器
・ETC920(EA-1188B-A)
このETC車載器は、旧スプリアス規格に基づいて製造しているため、2022年12月1日以降、ご使用できなくなります。
その他のETC車載器、ETC2.0車載器は、2022年12月1日以降もご使用頂けます。

 

DENSO TEN (ECLIPSE)

ECLIPSEブランドで過去に販売した、または現在販売中の全てのETC車載器およびETC内蔵AVNは、見直し後のスプリアス規格に対応しており、2022年12月1日以降も問題なくご使用いただけますのでご安心ください。

 

三菱電機

三菱電機の全てのETC/ETC2.0車載器は新スプリアス規格に対応しており、2022年12月1日以降も安心してご使用いただけます。

 

古野電気

古野電気製のETC車載器はすべて新スプリアス規格に対応しており、2022年12月1日以降も安心してご使用いただけます。

三菱重工グループから譲受された三菱重工ETCについて対応が分かれるようです。

「旧スプリアス規格のETC車載器の一部については、新スプリアス規格として2022年12月1日以降も使用できるよう、当社より関係機関に対し申請をおこなう予定です。最新の対応状況は本ページに掲載いたします。本ページに掲載されていない型式につきましては、お手数ですが当社までお問合せ頂きますようお願い致します。」

 

日立

日立製ETC車載器の一部において、電波法関連法令の改正により、2022年12月1日以降ご使用ができなくなります。

対象製品 株式会社日立製作所 VTS243-21

 

マツダ

マツダ純正用品のETC/ETC2.0車載器は、既に販売されているデンソー製・三菱電機製の全商品において新しいスプリアス規格に対応しており、電波法の改正以降も問題なくご使用できます。
パナソニック製C9N1・C9N2・C9N3・C9N5 V6 380のETC車載器は、新スプリアス規格には対応しておりません。
(現在検証中で、対応が確認でき次第ご連絡させて頂きます。)

 

ホンダアクセス

電波法関連法令の改正により、一部のETC車載器は2022年12月1日以降ご使用できなくなる案内が出ていますが、弊社製のETC車載器は過去の販売製品も含め、電波法上問題ないことが確認できておりますので、引き続きご利用いただけます。

 

WIKIによると…

下記は自社製造ではなく、OEM供給を受けて販売しているらしい。 特にデンソーとパナソニックの上位2社でシェア6割を占めるそうな。  「OEM元の情報を確認してね❤️」ということなのか、下記メーカーは確認時点で新セキュリティには対応してるという記載はあったとしても、新スプリアス認証についての記載は見つけられませんでした。

アルパイン

クラリオン

KENWOOD

パイオニア

ダイハツ工業

トヨタ自動車

富士重工業

富士通テン→DENSO TEN(親会社が富士通からデンソーに移ったため社名変更)

日産自動車

 

 

まとめ

新スプリアス認証が開始は2022年12月1日から延期されています。 新型コロナ感染症が第5類に移行されたこともあり、この「当分の間」という表現が具体的になる日が気になります。

これまで、旧スプリアス規格(不明なものも含みます。以下同じ。)の無線設備については、その使用期限を令和4年11月30日までとしていましたが、新型コロナウイルス感染症による社会経済への影響等による無線設備の製造や移行作業に遅れが生じていることを考慮し、令和3年8月に無線設備規則の一部を改正する省令(平成17年総務省令119号)の附則第3条及び第5条の一部を改正し、その使用期限を当分の間、延長することとしました。

 

今後、新型コロナウイルス感染症の収束や社会経済状況等の回復を踏まえつつ、移行期限を総合的に検討するとともに、それまで間については、早期に新スプリアス規格へ移行が図られるよう各免許人の状況に応じて対応していくこととしております。

 

総務省 電波利用ホームページ|免許関係|無線設備のスプリアス発射の強度の許容値
高周波,電波法

 

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