スターターモータが回らないときの最終手段! キースイッチ、ボディーアースにエンジンスタートボタン!

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エンジンがかからないのはFiat Ducato悪いのではなく16歳という車齢(2007年式)のようです。 エンジンが始動できれば走行に問題はありません。 キースイッチ、アースを再度確認してから最終手段のエンジンスタートボタンを取り付けます。

 

キースイッチの動きを確認する

前回、DUCATOのIGNITION LOCK BARRELのうちのKEY SWITCHだけを無理やり部品をニコイチにして交換しました。 そもそも加工したキースイッチがうまく動作していないかもしれないので確認します。

ignition KEY Switch ここだけ外したい

 

私のDUCATOは2007年式ですが現物は5-PINではなく7-PINだったので、購入するとなると下記のどちらかと思います。 ちょうどモデルチェンジの前後は要注意ですね。 特にキャンピングカーの場合は架装の時間もあるので現物確認が重要です。

互換品だと下記が該当しますがキーやバレルとセットが多いです。 イモビライザーもダメならこちらかな。

PEUGEOT BOXER CITROEN RELAY 2002-2006 IGNITION LOCK BARREL SWITCH 7-PINS 4162AL

 

純正品はキーやバレルが付属しませんので現在のイモビライザーとキーを流用します。 ってことはイモビライザー登録の変更が不要なのでできればこっちを選びたい。

PEUGEOT BOXER CITROEN RELAY 2002-2006 IGNITION LOCK BARREL SWITCH 7-PINS 4162AL

 

キースイッチの動きはこちら

 

このグレーの円盤のタイプだとこの位置がOFF位置です。 キーの抜き差しなどはこの位置です。

key switch off

 

ON位置です。 キーは抜けません。 MARCIAの略での全てのアクセサリー類が使用できますし、走行時もこの位置です。 ”50″以外の全部に12Vが流れます。

key switch mar

 

スターターモーターを回す位置でこの時だけ”50″に12Vが流れます。 もちろんキーは抜けません。 AVVはイタリア語のAVVIAMENTOでスターターの意味です。

key switch avv

 

反対回りに回すとPARK位置にできます。 エンジンをオフ、パーキングライトをオン、ステアリング コラムをロックとなります。 使ったことないな…。

key switch park

 

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キースイッチの接続を確認する

キースイッチの動きを確認できたので配線と電気の流れを確認します。

キースイッチ部コネクターと役割

 

スターターモーターのC端子に繋がっているのは50端子でヒューズやリレーを介さず、直接接続されているようです。 ただしD004にジャンクションがあるようですが…。

STARTING-DIAGRAM

 

“50”端子のBROWN/BLACKケーブルから電気がちゃんと流れているか確認します。

KEYSWITCH-50-OUTPUT

 

7-PINで円盤がグレーのタイプの場合です。 白い円盤だったり5-PINの場合は違うはず。 キースイッチバレルだけを交換する場合は現物確認が必要です。

key switch 一覧

 

各ケーブルの説明です。ちなみに太さは2.5SQです。

COLORS FUNCTION NOTE
ORANGE/BLACK “15/54”OUTPUT,LIVE WHEN RUN OR START ENGINE BAY FUSES/RELAYS
RED/BLACK “30” LIVE FEED INTO SWITCH ENGINE BAY FUSES/RELAYS 
BROWN/BLACK “50” OUTPUT,LIVE WHEN START COUPLING,THEN STARTER SOLENOID
LIGHT BLUE “INT/A” OUTPUT,LIVE WHEN RUN CAB FUSE BOX
BLUE/RED “INT” OUTPUT,LIVE WHEN RUN OR START CAB FUSE BOX
LIGHT BLUE/BLACK “POS” OUTPUT,LIVE WHEN ACC CAB FUSE BOX

 

キー位置と電気の流れは下記となります。 エンジンスタートのAVV時のみ”50″端子に接続されることがわかります。

  1. OFF位置です。 接続はなし。
  2. ON(MAR)位置です。 ”50″以外が接続される。
  3. START(AVV)位置です。 INT/Aの接続がなくなり50が接続される。

CONNECTIONS_DIAGRAM

 

スターターモーターが動かない理由として2点を確認します。 このうちキースイッチ単体の各接点の通電はテスターで確認しましたのでここでは断線を確認します。

  1. キースイッチの接点不良
  2. キースイッチ配線の断線

 

RED/BLACK線が繋がっている”30″は常時12Vが流れていて、AVV位置のときだけ”50″を介してBROWN/BLACK線に12Vが流れてスターターモーターのC端子に流れます。 (※写真の赤い線と黒い線はテスターの線です)

AVVに電気が流れているかチェックする

 

キーがないときは当然電気は流れていません。 テスターで抵抗を測って接続を確認します。

KEYSWITCH-TEST-NOKEY

 

キーを刺してもOFF位置なら電気は流れません。

KEYSWITCH-TEST-OFF

 

MAR位置では”30″と”50″はつながりません。

KEYSWITCH-TEST-MAR

 

エンジンスタートのAVV位置です。 しっかり抵抗直が表示されています。 結果としてキースイッチとここまで断線はなさそう。

KEYSWITCH-TEST-AVV

 

いろいろ活躍してくれるテスターはこちら。

 

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エンジンルームと室内に配線を通す

キースイッチの物理的な動きと電気の流れは確認できました。 でもスータータモーターが回らないので最終手段を取るためにエンジンルームと室内に配線を通します。

ボディコンピューターの奥にエンジンルームから配線を通す場所があります。

REMOVE_FUSE_BOX

 

コネクタを固定するためのレバーがよくできてるなーと感心します。

B002ヒューズボックスのケーブルコネクタをはずす

 

ボディコンピューターはナット2個でとまっているだけです。

B002-FUSEBOX

 

車両側コネクタは大きなコネクタでまとめられています。

B002ヒューズボックスをはずす

 

エンジンルーム側から配線通しワイヤーを通します。

配線を通す

 

エンジンルーム側から。 脇から配線を通します。 この青い線はリレーに接続する用です。

配線が通っている横を通す

 

ヘッドライトを外すと作業はしやすくなります。 コルゲートチューブに巻かれたケーブルの束があります。 行き先はB001です。

スタート用に新しいラインを入れる

 

B001(Engine compartment control unit)にケーブルの束が当たって擦れているのを発見。

ケーブルがボックスと擦れている

 

室内のキースイッチに接続するコネクタのBROWN/BLACK線ですが…

ブラウン/黒の色の配線が50

 

エンジンルーム内にあるB001の中のコネクタでBROWN/BLACK線を発見。 そしてここまで断線もないことも確認。 そしてここからスターターモータのC端子まで断線がないことも確認できました。

50LINEがコネクタに見つかる

 

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エンジンスタートボタンの準備

最終手段のエンジンスタートボタンはこれにしました。 ストップはできないので「START」の文字だけがあるボタンを探しました。

 

本来のBROWN/BLACK線自体は断線していないようです。 断線はしていませんが電圧が3Vや6V程度しかかからない場合があるため、スターターモーターのC端子に別ラインで12V線を引く算段です。 古い車だとよくやる手段のようです。

 

ボタンを押したときに繋がるのはNO-C端子で、押していないときにつながるのはNC-C端子間です。 Normaly-Close、Normaly-Openなんて初めて聞く単語でした。

エンジンスタートスイッチの配線

 

左がエーモン製ITEM3236のリレーで右がエーモン製ITEM1188の大容量取り出しコードです。 バッテリーからスーターモーターのC端子につなげるちょっと太めの線です。

バッテリー直ケーブルとリレー

 

リレーの説明書と大容量電源取り出しコードのパッケージ裏面です。

リレーの説明書 バッテリーケーブル説明書

 

「ENGINE START」ボタンをリレーに接続し、ボタンを押すとリレーを介してバッテリーとスターターモーターのC端子が直接つながり12Vを流すことができます。

リレーと大容量ケーブル

 

使用したのはエーモン製のリレーで4極 DC12V・360W(30A)と大容量電源取出しコード AV5sqです。

 

今回の一式です。

エンジンスタートスイッチ用ケーブルとリレー

 

リレー経由でバッテリーから繋がる大容量取り出しコードはスターターモーターのC端子につながります。

新しく引いた12Vライン

 

そしてエンジンスタートボタンはコレ!

エンジンスタートボタン

 

キースイッチをMAR位置で「ENGINE START」を押すと問題なくエンジンが始動できます。 イモビライザーがあるのでキーはMAR位置にする必要があります。 エンジンストップはキーでOFF位置にすることで停止です。

 

これで安心してお出かけができます!

ENGINE-START-OK

 

 

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