エンジンがかからないのはFiat Ducato悪いのではなく16歳という車齢(2007年式)のようです。 エンジンが始動できれば走行に問題はありません。 キースイッチ、アースを再度確認してから最終手段のエンジンスタートボタンを取り付けます。
キースイッチの動きを確認する
前回、DUCATOのIGNITION LOCK BARRELのうちのKEY SWITCHだけを無理やり部品をニコイチにして交換しました。 そもそも加工したキースイッチがうまく動作していないかもしれないので確認します。
私のDUCATOは2007年式ですが現物は5-PINではなく7-PINだったので、購入するとなると下記のどちらかと思います。 ちょうどモデルチェンジの前後は要注意ですね。 特にキャンピングカーの場合は架装の時間もあるので現物確認が重要です。
互換品だと下記が該当しますがキーやバレルとセットが多いです。 イモビライザーもダメならこちらかな。
純正品はキーやバレルが付属しませんので現在のイモビライザーとキーを流用します。 ってことはイモビライザー登録の変更が不要なのでできればこっちを選びたい。
キースイッチの動きはこちら
このグレーの円盤のタイプだとこの位置がOFF位置です。 キーの抜き差しなどはこの位置です。
ON位置です。 キーは抜けません。 MARCIAの略での全てのアクセサリー類が使用できますし、走行時もこの位置です。 ”50″以外の全部に12Vが流れます。
スターターモーターを回す位置でこの時だけ”50″に12Vが流れます。 もちろんキーは抜けません。 AVVはイタリア語のAVVIAMENTOでスターターの意味です。
反対回りに回すとPARK位置にできます。 エンジンをオフ、パーキングライトをオン、ステアリング コラムをロックとなります。 使ったことないな…。
キースイッチの接続を確認する
キースイッチの動きを確認できたので配線と電気の流れを確認します。
スターターモーターのC端子に繋がっているのは50端子でヒューズやリレーを介さず、直接接続されているようです。 ただしD004にジャンクションがあるようですが…。
“50”端子のBROWN/BLACKケーブルから電気がちゃんと流れているか確認します。
7-PINで円盤がグレーのタイプの場合です。 白い円盤だったり5-PINの場合は違うはず。 キースイッチバレルだけを交換する場合は現物確認が必要です。
各ケーブルの説明です。ちなみに太さは2.5SQです。
COLORS | FUNCTION | NOTE |
ORANGE/BLACK | “15/54”OUTPUT,LIVE WHEN RUN OR START | ENGINE BAY FUSES/RELAYS |
RED/BLACK | “30” LIVE FEED INTO SWITCH | ENGINE BAY FUSES/RELAYS |
BROWN/BLACK | “50” OUTPUT,LIVE WHEN START | COUPLING,THEN STARTER SOLENOID |
LIGHT BLUE | “INT/A” OUTPUT,LIVE WHEN RUN | CAB FUSE BOX |
BLUE/RED | “INT” OUTPUT,LIVE WHEN RUN OR START | CAB FUSE BOX |
LIGHT BLUE/BLACK | “POS” OUTPUT,LIVE WHEN ACC | CAB FUSE BOX |
キー位置と電気の流れは下記となります。 エンジンスタートのAVV時のみ”50″端子に接続されることがわかります。
- OFF位置です。 接続はなし。
- ON(MAR)位置です。 ”50″以外が接続される。
- START(AVV)位置です。 INT/Aの接続がなくなり50が接続される。
スターターモーターが動かない理由として2点を確認します。 このうちキースイッチ単体の各接点の通電はテスターで確認しましたのでここでは断線を確認します。
- キースイッチの接点不良
- キースイッチ配線の断線
RED/BLACK線が繋がっている”30″は常時12Vが流れていて、AVV位置のときだけ”50″を介してBROWN/BLACK線に12Vが流れてスターターモーターのC端子に流れます。 (※写真の赤い線と黒い線はテスターの線です)
キーがないときは当然電気は流れていません。 テスターで抵抗を測って接続を確認します。
キーを刺してもOFF位置なら電気は流れません。
MAR位置では”30″と”50″はつながりません。
エンジンスタートのAVV位置です。 しっかり抵抗直が表示されています。 結果としてキースイッチとここまで断線はなさそう。
いろいろ活躍してくれるテスターはこちら。
エンジンルームと室内に配線を通す
キースイッチの物理的な動きと電気の流れは確認できました。 でもスータータモーターが回らないので最終手段を取るためにエンジンルームと室内に配線を通します。
ボディコンピューターの奥にエンジンルームから配線を通す場所があります。
コネクタを固定するためのレバーがよくできてるなーと感心します。
ボディコンピューターはナット2個でとまっているだけです。
車両側コネクタは大きなコネクタでまとめられています。
エンジンルーム側から配線通しワイヤーを通します。
エンジンルーム側から。 脇から配線を通します。 この青い線はリレーに接続する用です。
ヘッドライトを外すと作業はしやすくなります。 コルゲートチューブに巻かれたケーブルの束があります。 行き先はB001です。
B001(Engine compartment control unit)にケーブルの束が当たって擦れているのを発見。
室内のキースイッチに接続するコネクタのBROWN/BLACK線ですが…
エンジンルーム内にあるB001の中のコネクタでBROWN/BLACK線を発見。 そしてここまで断線もないことも確認。 そしてここからスターターモータのC端子まで断線がないことも確認できました。
エンジンスタートボタンの準備
最終手段のエンジンスタートボタンはこれにしました。 ストップはできないので「START」の文字だけがあるボタンを探しました。
本来のBROWN/BLACK線自体は断線していないようです。 断線はしていませんが電圧が3Vや6V程度しかかからない場合があるため、スターターモーターのC端子に別ラインで12V線を引く算段です。 古い車だとよくやる手段のようです。
ボタンを押したときに繋がるのはNO-C端子で、押していないときにつながるのはNC-C端子間です。 Normaly-Close、Normaly-Openなんて初めて聞く単語でした。
左がエーモン製ITEM3236のリレーで右がエーモン製ITEM1188の大容量取り出しコードです。 バッテリーからスーターモーターのC端子につなげるちょっと太めの線です。
リレーの説明書と大容量電源取り出しコードのパッケージ裏面です。
「ENGINE START」ボタンをリレーに接続し、ボタンを押すとリレーを介してバッテリーとスターターモーターのC端子が直接つながり12Vを流すことができます。
使用したのはエーモン製のリレーで4極 DC12V・360W(30A)と大容量電源取出しコード AV5sqです。
今回の一式です。
リレー経由でバッテリーから繋がる大容量取り出しコードはスターターモーターのC端子につながります。
そしてエンジンスタートボタンはコレ!
キースイッチをMAR位置で「ENGINE START」を押すと問題なくエンジンが始動できます。 イモビライザーがあるのでキーはMAR位置にする必要があります。 エンジンストップはキーでOFF位置にすることで停止です。
これで安心してお出かけができます!
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