冬用タイヤのみを装着し、チェーン未装着の大型車等の立ち往生が発生しているってことで、実効性のあるチェーン装着による通行制限を実施できる仕組み等を検討したそうです。
タイヤチェーンって万能だと思ってない? チェーンって切れるのょ…。
追記2018年12月11日 —
異例の降雪時にチェーン装着が義務となる高速道路7区間、国道6区間の合計13区間が発表されました。
— 追記ココまで
それは2月からはじまっていた。
2月26日には冬季道路交通確保対策検討員会が立ち上がっていました。
平成30年1月、首都圏を中心に積雪20cm を超える大雪により、首都高速道路中央環状線では、約10時間を超える車両の滞留が発生しました。
また、2月には北陸地方を中心に積雪1mを超える大雪により、国道8号で約1500台の車両の立ち往生が発生し、2日以上通行に障害が発生しました。
このような突発的な大雪が頻発するなか、道路交通への障害を減らすための具体的な対策など今後取り組むべき課題を検討するため、第1回検討委員会を開催します。
何度か開催されて5月に中間とりまとめが出されました。
チェーン装着が義務?
資料を読むと「チェーン未装着」、「チェーン等装着の徹底」、「チェーン装備」というワードがちょくちょく出てきます。 チェーンが万能だと思ってそうなのと、基本的に大型車が悪いらしい…(*゚ー゚)
・冬期道路交通確保対策検討委員会 開催状況
現場の人たちはたいへんだろうな(*゚ー゚)
乗用車はUターンで立ち往生から逃げることも可能だけど大型トラックは無理。 また、立ち往生で渋滞ができてしまった場所まではスタッドレスタイヤで走ってこれているってことなのでどこでチェーンをつけさせるつもりなんだろう。
原因の一つとして、チェーン未装着の大型車による影響が大きいと考えられる。例えば平成27年度では、直轄国道において立ち往生車両が500台以上発生し、このうち約 6 割が大型車となっていた。特に立ち往生車両の特徴として、冬用タイヤは装着しているがチェーンは未装着である車両が約9割を占めていた。
道路管理者及び都道府県公安委員会は、安全で円滑な交通の確保や車両の立ち往生等の防止を図るため、大雪時には降雪状況や地域特性に応じて、ドライバーに対し冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)やチェーンの装着を徹底すべきである。また、チェーン等の十分な雪道走行装備を強く呼びかけるべきである。
特に、集中的な大雪時には冬用タイヤは装着しているがチェーンは装着していない大型車の立ち往生等の発生が大規模な車両滞留の原因となる場合が多いことに鑑み、大雪警報が発表された段階から道路管理者は関係機関と連携し、チェーンを適切に装着せず大規模な車両滞留の原因となる大型車等の通行を制限できる仕組みについて、実効性・公平性にも配慮して検討すべきである。
さらにチェーン等の装着徹底の実効性を高めるため、例えば、チェーンを適切に装着せず大規模な車両滞留の原因となった大型車等に対しては、高速道路の大口多頻度割引の停止を行う等、ペナルティ等の対応を検討すべきである。
道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(昭和35年総理府令・建設省令第3号)の改正案、「タイヤチェーンを取り付けていない車両通行止め」という新しい制度に合わせて新しい規制標識もできます。
このデザイン… えーっと、もう少しなんとか… うーん(*゚ー゚)
今期はとりあえずの20カ所を指定するそうですが、まだ区間など詳細は発表されていません。 来年度は200ヶ所に増やすとか。
大雪と立ち往生
2018年2月の福井県金津と石川県加賀市の県境付近の立ち往生は1500台と言われます。あのあたりは北陸自動車道と国道8号線しかないので、先に北陸自動車道が通行止めになれば国道8号線に降りるしかなく滞留することはわかっていたと思うんだけどな。
Googleストリートビューで場所を紹介したかったけど、なぜかその区間だけがない。 なにか深い闇を見てしまったのかもしれません… (ʘ ʘ;)
大雪警報の回数
大雪警報レベルの際に立ち往生しそうな国道や高速道路の指定区間でタイヤチェーン装着しないといけなくなりますが、じゃあ大雪警報って何回でてるんだろう? 角刈りの生息する北陸で確認してみます。(数字は回数。期間はリンク先で確認してください。)
毎シーズン5、6回はチェーンをつけないといけなくなりそう。
福井 | 石川 | 富山 | 新潟 | |
2012年12月 | 1 | 1 | 2 | 2 |
2013年1月 | 5 | 1 | 3 | 3 |
2013年2月 | 0 | 0 | 0 | 2 |
2013年12月 | 1 | 0 | 0 | 1 |
2014年1月 | 0 | 0 | 0 | 2 |
2014年2月 | 0 | 0 | 0 | 3 |
2014年12月 | 4 | 3 | 1 | 4 |
2015年1月 | 2 | 2 | 2 | 2 |
2015年2月 | 1 | 2 | 0 | 2 |
2015年3月 | 0 | 0 | 1 | 1 |
2015年12月 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2016年1月 | 2 | 2 | 2 | 1 |
2016年2月 | 1 | 0 | 1 | 0 |
2016年12月 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2017年1月 | 2 | 2 | 2 | 2 |
2017年2月 | 1 | 1 | 0 | 0 |
2017年12月 | 1 | 1 | 1 | 1 |
2018年1月 | 3 | 3 | 2 | 4 |
2018年2月 | 3 | 2 | 2 | 3 |
警報・注意報発表基準
ちゃんと基準があります。
警報や注意報は、気象要素(表面雨量指数、流域雨量指数、風速、波の高さなど)が基準に達すると予想した区域に対して発表します。
- 福井県の多くは201cm〜350cm
- 石川県の多くは201cm〜350cm、ただし金沢市は101cm〜200cm
- 富山県の多くは101cm〜200cm、ただし富山県の岐阜県側県境は201cm〜350cm
- 新潟県新潟市(下越)は101cm〜200cm、長岡市(中越)は201cm〜600cmのエリアが混在、上越市(上越)は201cm〜600cmが混在
過去の豪雪
さすがにサンパチ豪雪は知らん( ゚∀゚)アハハ (※リンク先はwikipediaです)
- 昭和38年1月豪雪*(三八豪雪)
- 四八豪雪(昭和48年豪雪/秋田豪雪)
- 五二豪雪(昭和52年豪雪)
- 五六豪雪(昭和56年豪雪)
- 五九豪雪(昭和59年豪雪)
- 六一豪雪(昭和61年豪雪)
- 平成18年豪雪*(〇六豪雪/一八豪雪)
- 平成23年豪雪(北陸豪雪/山陰豪雪)
- 平成24年豪雪(北海道豪雪)
- 平成25年豪雪(東北豪雪)
- 平成26年豪雪(関東・甲信豪雪)
- 平成28年豪雪
- 平成30年豪雪(北陸豪雪/北海道豪雪)
国土交通省北陸地方整備局の「平成27年度 今冬の記録」というレポート。 チェーンがどうのというよりも除雪ガンバレと思ってしまうけど、除雪したそばから積もっていくので難しいのもわかります。 除雪ってお金かかるしね💰✨
そもそも
立ち往生なんて昔からあって、今年はじまった話じゃない…(*゚ー゚)
滋賀と敦賀(福井)と敦賀(福井)と福井市の県境、福井と金沢の県境、金沢と富山の県境、富山と新潟の県境など山ばっかり。 北陸の場合は県境が山越えのパターンが多く積雪や凍結時に越えられないクルマやトラックが出てくるんですな。
この辺りは20カ所に含まれるかもね。
スタッドレスタイヤとチェーン
雪の降らない地方のクルマは知りませんが、雪国のクルマは冬季間はスタッドレスタイヤを常識的に履いてます。 雪国を通行するトラックもほぼ装着していると思います。 スタッドレスタイヤじゃないと怖くて運転できませんもの。
このスタッドレスタイヤはどこからか支給されるものではないので自己負担で購入するしかありません。 それ対してタイヤチェーンなんてみんな持ってません。だって必要ないんだもん。 今回の法改正で次はさらにチェーンを買わないといけなくなる?
なお、角刈りはバーストナーに乗り始めてタイヤチェーンを用意しました。 これはベースのFIAT DUCATOがFF車(前輪駆動車)で、さらにキャンピングカーの性格上、前よりも後に荷重がかかかることが予想されるため少しでも前輪(駆動輪)の力を地面に伝えるためです。 そんな理由でもなければJAFの実験の通りスタッドレスタイヤを履いていればタイヤチェーンなんて不要なのです。
THULEからKonigになったけどキャンピングカーにタイヤチェーンのEASY-FITを買ったょ!
日本ではKonigは中発販売株式会社が総代理店ですがEASY-FITやK-SUMMITの取り扱いをしていないっぽい。
Consumer snow chains
ちなみにJAFが2017年12月にノーマルタイヤ、スタッドレスタイヤ、タイヤチェーンの組み合わせで実験をしています。 あくまでも乗用車のお話ですけどね。
JAF | 雪の坂道、ノーマルタイヤでは上れず、立ち往生の原因にスタッドレスタイヤであっても傾斜や路面状況によっては上れないことも!
おまけ。なぜトラックは雪に弱い
トレーラーは荷物を積んだ荷台をトラクターで引っ張ります。 こんなやつですね。 ちなみに世間一般で「トレーラー」と呼んでいるのはセミトレーラーのこと。 荷物を積む台車は引っ張られるのみで駆動しないので、ただの抵抗にしかならないのです。
世界のトラック販売台数1位のダイムラーグループから写真は拝借しました。
ダイムラーグループつながりでFUSOのトラックです。 多くの人はこれを大型トラックと呼ぶと思います。
このタイプの多くは前から舵用に二本、二番目が「動輪」と呼ばれるエンジンの動力が伝わる駆動輪で左右各二本の合計四本、三番目が動力の伝わらない「引きずり」と呼ばれる左右各二本の合計四本、全部で10本のタイヤが付いてます。 この付いてるだけの「引きずり」が抵抗になって、ちょっとした段差にハマって動けなくなってしまうことがあります。
写真のような低床タイプの大型トラックや土砂などを運ぶダンプ等、後ろの2軸とも駆動するタイプは沼地や積雪にも強いです。
こうやって圧雪になっていれば良いけれど…
こんな凸凹になってしまうと… 止まったら負けです。
ちなみにトラクターだとかわいいですが、当然荷物を積んで走ることが前提なので頭だけで走るとメッチャ速いです! 乗り心地悪いらしいけど… ( ゚∀゚)アハハ
これはVolvo Trucks。 海外ではトラクターでレースもあります。 IRON KNIGHTがかっこよすぎ。
自家用車にトラクターが欲しい!
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